大手派遣会社でもブラック

大手派遣会社はきちんとしているから大丈夫、そんなふうに思っている人も多いのではないでしょうか。私も以前はそう思っていましたが、それは大きな間違いでした。誰もが知っている大手派遣会社T社の派遣社員として働いていましたが、その大手派遣会社T社こそがブラック派遣会社だったのです。実際に体験したことをお話します。

私はA派遣会社からの派遣社員としてB社に就業していました。A派遣会社の営業担当やコーディネーターは、良識のある印象の良い方々だったので、安心して就業先の仕事に取り組んでいました。

数ヵ月後、就業先のB社が、派遣会社をA社からT社に切り替えることを決定しました。複数の派遣会社から見積をとり、最安のプランを提示したのがT社だったというのが理由です。B社は今後も私に仕事を続けてほしいと言ってくださり、以降はT社の派遣社員として就業を続けました。

私の配属先は、正社員1名と私で構成されるフルタイム2名体制の部署でした。 少人数の部署は、小数精鋭で業務を回しています。 いわゆる、指示待ちタイプの人、自分で機転をきかせて動けない人、業務内容に不相応な人では仕事にならないのです。

配属先の正社員1名は、もともと期間限定の契約で退職が決まっていたため、その欠員分として、ブラック派遣会社T社が新たな人員を送り込むことになりました。

そもそも正社員フルタイム1名であったところを、パート派遣社員3名のシフト交代制に置き換えるというのです。 フルタイムを雇うと社会保険等T社のコストが掛かってしまいますが、扶養範囲内のパートであれば、T社は社会保険等のコストを負担せずに済むという理由です。 だから最安のプランを提示できたのです。

その話を聞いたとき、呆気にとられて言葉も出ませんでした。 T社は現場を何も考慮していない、コストのことしか考えていないのです。

配属先の業務は、サポート担当業務であり接客応対の多い仕事でした。そのため、B社内外の関係者の顔と名前、関係者の担当分野などを覚える必要がありました。また、業務を円滑に進めるために、日頃からB社関係者の方々とコミュニケーションをとり、関係性を築いておくことも大切でした。

T社はその部署に、パート派遣社員をシフトで入れて、コロコロ入れ替わり立ち代り勤務をさせるというのです。 ローマは一日にして成らず といいますが、B社関係者の方々との関係性も同様です。 T社に逆らえるはずもなく従いましたが、事態は悪い方向へと進んでいきました。

1人目のパート派遣社員Dさんが投入されました。 Dさんは一見、明るくて社交的な人に見えますが、いわゆる人格障害でした。 接客応対の多い仕事ですが、Dさんの話の主語はいつも「アタシ~」で、自分語りしかしません。 B社社員の私物を許可なく勝手にハサミで切断したり、仕事で大きな間違いを犯しても「だって○○さんが言ったから~」と、いつも他人の責任にして、反抗的な態度をとり反省しないのです。 Dさんは過去に勤めた会社でも、上司と上手くいっていなかったと話していました。当然ですよね。

その1ヵ月後、2人目のパート派遣社員Eさんが投入されました。 Eさんは結婚したばかりの新婚さんで、「早く子供が欲しい」と言っていました。 B社は長期で安定して働ける人を望んでおり、私も不安に思っていました。 すると案の定、Eさんは妊娠でつわりがひどく1ヵ月で辞めていきました。

T社の人選には、呆れるばかりです。 次々と投入される新人を、いちから教育する労力や業務への影響など、T社は何も考えていないのです。

その翌月、3人目のパート派遣社員Fさんが投入されました。 Fさんは暗い雰囲気で積極性の無い、いわゆる指示待ち人間でした。また、Fさんには自閉症傾向がありました。目の前に人が来ても対応しようとせず、うつむいたまま自分の作業を続けているのです。 Fさんは、接客応対の多い仕事には、明らかに向いていませんでした。

その後、4人目のパート派遣社員Gさんが投入されました。 Gさんは一見、明るいおばさんに見えますが、いわゆるモンスターペアレントタイプの人でした。キレやすく、思い込みが激しく、自己正当化と執拗な要求を繰り返すのです。 Gさんは、B社社員や取引先にも、キレて怒鳴っていました。

T社のミスマッチな人選は、もはや業務妨害と化していました。後に、大手派遣会社のT社は法令遵守違反も犯しました。T社は優良派遣事業者に認定されていますが、紛れもないブラック派遣会社です。